シェアハウスに住んでいるのは日本人だけではありません。
ワンルーム並みの家賃でプライベート空間と広い共同スペースを
利用できるシェアハウスは多くの在日外国人の方も利用されています。
特に欧米ではこうしたシェアハウスでの共同生活は一般的で、
日本に来ても好んでこうしたシェアハウスに住んで異文化交流を楽しむ方も多いです。
中でも宗教の違いには驚かされることもあります。
日本人は基本的には仏教や神道を持っていてお盆にはご先祖様にお墓参りをして、
お正月には神社にお参りに行きますが普段の生活の中にこうした宗教が
生きているかというとそうではないことが一般的です。
シェアハウスの住人の中にバングラディシュ人の方がいましたが、
彼は敬虔なイスラム教徒でした。
バングラディシュは国民のほとんどがイスラム教徒なのですが
このイスラム教は戒律が厳しいことで知られています。
バングラディシュ人の彼も豚肉を一切食べないということで驚かされました。
外食をすると調味料やスープの中に豚肉が紛れ込んでいることがあるからと
いつもシェアハウスの共同キッチンで自炊をしていました。
彼の作ったカレーは肉の代わりに鯉を使っていて一度シェアハウスの住民に
振舞ってくれたことがあるのですが思いのほか美味しかったです。
その他にも一日に5回聖地メッカの方を向いてお参りをしなくては
いけないというのにも最初は驚きました。
徐々にキッチンで膝まずいての急な礼拝にも慣れっこになってきましたが、
外出中でも場所をさがしてお祈りをしなくてはいけないということで、
外でびっくりされないといいなと心配でした。
もうひとりアメリカ人のシェアハウスの住人はキリスト教徒で、
さまざまなキリスト教のイベントをシェアハウスに取り入れて楽しませてくれたのです。
日本ではお馴染みになったハロウィンの行事は収穫祭と言ってもともとは
秋の収穫と神へのめぐみに感謝するお祭りなのだそうです。
仮装をしたりホームパーティーをして楽しく盛り上がりました。
そして春に行うイースターはまだ日本では馴染みの薄いお祭りですが、
キリストが復活したことを祝う復活祭という行事で欧米では馴染み深い物です。
イースターエッグと呼ばれるカラフルにカラーリングした卵をシェアハウスのリビ
ングに隠してみんなで探し合ったり、うさぎにまつわるマスコットを作って
飾ってシェアハウスの住人でホームパーティーをしたりしました。
シェアハウスの醍醐味はこのようにいろいろな世界中から
集まっている人たちとの異文化交流とも言えるのです。